精進料理(ご夕食)
伝統は守る。だけど新しいコト、好き。
そんな『和空 下寺町』らしい精進料理を、どうぞ。
ある日の御献立例
【八寸】蓬麩茶巾包み、丸十蜜煮、黒豆松葉刺し、など
【焚合せ】六方小芋、飛龍頭、など
【造里】白板蒟蒻、もずくとろろ、など
【酢の物】旬野菜土佐酢ジュレ掛、など
【小鉢】胡麻豆腐、オクラ、など
【和え物四種】セロリと占地梅肉和え、など
【吸物】揚げ蕎麦がきのすまし汁、など
【御飯】枝豆御飯、香物、など
※季節や仕入れ状況によりメニューが変わります。
※写真は献立例とは、別の日のものです。
総料理長に聞く
精進料理に潜む公式:
3×『五』+3×『心』で解く
「和空 下寺町」夕食のこだわり
僧侶が作り、食してきた「精進料理」。そこには守り続けられてきた深い伝統があります。
たとえば「五色・五法・五味」「三心」という法則。「和空 下寺町」にもその真髄は活かされています。
精進料理3つの『五』
その1『五色』
緑・黄・赤・白・黒
精進料理の3つの『五』。ひとつめは『五色』。
素材にいくつもの色が重なれば見た目だけでなく、栄養バランスも良くなります。
自然の彩りを活かすことで季節感も加わります。
- 髙木総料理長コメント
- 『季節の先取りと季節の名残りを』
ふたを開けた瞬間「わあっ」と瞳が輝くような季節感の演出、華やかな彩りには心を配っています。春が近くなれば桜の一枝を添え、秋が近づけば人参を紅葉にかたどる。「季節の先取り」と同様に「季節の名残り」も意識しています。旬が終わる食材で季節を惜しんでいただく。「ああ、もうこんな時期か」と、料理に移り行く季節を感じてもらえれば。
その2『五法』
生・煮・焼・揚・蒸
精進料理の3つの『五』。ふたつめは調理法の『五法』。
「生」「煮る」「焼く」「揚げる」「蒸す」。素材の旨味を引き出すために手間暇かけて料理します。
「和空 下寺町」が特にこだわるのは、精進料理に欠かせない「胡麻豆腐」の作り方です。
- 髙木総料理長コメント
- 『これだけは変えないぷるぷるの胡麻豆腐』
季節ごとに料理を変えますが、1年を通して絶対に変えたくないもの、それが「胡麻豆腐」です。大きな鍋と大きなしゃもじで30分以上ずっと練り続けるのでかなりの重労働。手の皮は破れ、大きなマメができる。でもこの作り方は変えない。労力をかけるからこそ、ぷるぷるの「胡麻豆腐」ができます。なめらかな淡い味わいなので、一番初めにお召し上がりください。
その3『五味』
酸・苦・甘・辛・塩
精進料理の3つの『五』。みっつめは『五味』。
「酸味」「苦味」「甘味」「辛味」「塩味」。これに「淡い」を加えて「六味」ということもあります。
精進料理は味が単調というイメージがあるかもしれませんが、実際には多彩な味わいを楽しめます。
- 髙木総料理長コメント
- 『精進料理のイメージを覆したい』
味が薄く物足りなく思われがちな精進料理のイメージを覆したい。だからといって濃い味を乗せるのでなく、素材や昆布だしの旨味を活かし、口に入れた瞬間の外側の味、さらに内側から染み出してくる味と、一品の中に複数の味を感じて欲しい。「精進料理のイメージが変わった」「ボリュームもあった」と言っていただけると嬉しいです。
精進料理3つの『心』
- 髙木総料理長コメント
- 『精進とは、前に進むために、
今、努力すること』僧侶の方は料理も食事も修行のひとつと捉えていらっしゃるので、向き合う心構えが違うなと感じます。自分ももっと「精進」しなくては、と。だからお客様からご意見を頂くのはありがたいです。「美味しかった」だけでなく「ちょっと薄かった」「もっと柔らかい方が」とか。好みで構わないんです。自分の料理には自信もあるし、ブレることはない。だからこそ、どんなご意見でも言っていただけた方が次に繋がる。糧にして、もっともっと精進しようと意欲が沸きます。
髙木仁
和光菴 本店 総料理長
●京懐石「和光菴」
大阪市天王寺区生玉寺町3-32
精進料理(お子様向け)
ハンバーグかな?フライかな?
お子様向けには楽しく食べられる精進料理をご用意しています。
豆腐ハンバーグにはきのことトマトのソースを。
お子様が美味しく食べれられるような工夫がたくさん
- 高木総料理長からのコメント
- 『もしもお料理を残しても、お子様を叱らないで』
お子様が好きなメニューに似せる工夫はしますが、せっかくの機会だから少しは精進料理にも馴染んで欲しい。だから煮物なども入れています。一緒にいる大人の方が笑顔で食されてたら、お子様も「おいしそう」と無理なく口にできるんじゃないかなと。叱られると食べるのが嫌になって苦手意識が残ってしまいますよね。だからもしも残してしまいそうなお子様がいても決して叱らないであげてください。